【読書メモ】【第2部】カイゼン・ジャーニー たった一人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
読みました。内容が濃いので部ごとにメモ取っていきます。ネタバレもあります。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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マインドマップ
合計127のノード(気づき)がありました。第1部と合わせると217!まだ咀嚼出来ていないところはあるのですが、そういうプラクティスがまずあるということを知れただけでも大きいですね。
この本で得たもの
第2部 チームで強くなる
第1部のラストから1年後ですね。せっかく一緒に活動してくれていた他部署のメンバーは転職。リーダーと始めたカイゼン活動は暗礁に乗り上げたところで、「こんなんでは、ダメだぞ」と1部ラストで酷いこと言ってくれた蔵屋敷という先輩にスカウトされて、スクラムを始めることに。
なんかこんな感じですよね。会社って。新分野に飛び込まざる得ないこともあったりで急な人事があったりとか。ただトップ側の勝手な意向というわけではなく、憧れの蔵屋敷にスカウトされるほどに芽が出てる、信頼される実績を出せているというところなのでしょう。
いきなりスクラムをやれと言われた江島はキックオフMTGを開始します。
突貫でスクラムを勉強し、外部の勉強会にも参加し、2週間で内容を要約する資料をつくり、今、ここに臨んでいる。まだ、見聞きしたことをすべて理解出来ているわけではない。だから、僕自身が腹落ちしているわけではない。
経験が足りないと不安になりますね。経験則だけでもなく、原理、原則だけでもなく、他人に教える、教えられることで磨かれ促進されることは「建設的相互作用」と第1部のコラムで紹介されています。
*「建設的相互作用」の引用元は『教育心理学概論(新訂版)』とのこと。
価値観の違う、生まれも育ちもスキルも違うメンバーとどう手を取り合うか
チームで、未知のスクラムという体制での開発に個性的なメンバー、スタートから1ヵ月遅れで参加してきた関西弁のスクラムマスター(登場当初は「何も仕事していないのでは?」と言われる)、価値観のぶつかり合い、お互いの期待の不整合、問題はないと言っていたメンバーの急な失踪、終盤での新人の加入・・など、色々な課題(どれも人間らしく生臭い)が毎話発生してはチームで解決を進めていきます。第2部ではチームの話もあってスクラム色はバリバリですね。。この為、横文字も増えていきます。。
この本はスクラムの導入書ではないので、用語に対して深い解説はないです。あまりイメージ持てていないと、読むのに苦労するかもしれません。ワニも腹落ち仕切っていない用語やプラクティスはありますが、なかなかどうして、そのプラクティスのエッセンスの伝え方が上手いんですよね。「ふ~ん」で終わらせない、知的好奇心をくすぐる料理の仕方という感じで。
頑張れば出来る?
第14話「問題はありませんという問題」という話の中に「ファイブフィンガー」というプラクティスが紹介されています。個人がスプリントや今の仕事の状態を、自分の考えで表明するプラクティスです。
5本:とてもうまくやれている
4本:うまくやれている感触あり
3本:可もなく不可もなく
2本:不安は少しある
1本:全然ダメで絶望的
この話のなかで、チーム唯一の外国人ウラットが指1本を上げる。すぐさま他のメンバーから「問題がないと言っていたのに、1本なの?」と聞かれるシーンがあるのですが、主人公がウラットの代弁をします。
「がんばれば、やれるから、困っていない、でしょ」
すごくドキッとさせられたんですよ。ホント自分にもある経験で、まじめな人だとつい言っちゃいそうだなって。
がんばればやりきれる、だから困ってはいない。でも、いつまでもがんばれるわけではない。
この物語を通してみれば、少し俯瞰して見れれば、そんなアドバイスが出来るのかも知れないのだけれども、これが当人だけでなくチーム全体で根を上げにくい空気感になっていたら・・誰にとっても辛いだろうな。この後別のメンバーが俺が手伝うよ!と言ってこの話は終わりますが、自分だったらどう解決させていたのだろう?
第14話だけ取り上げましたが、この話以外にも立ち止まる、価値観を共有する、進むべき先をむきなおすと言った、チームを醸成する上でのプラクティスもたくさん載っています。
感想
第2部でやっとアジャイルらしいプラクティス(多少乱暴な言い方ですが)が多数登場します。モブプログラミング、バリューストリームマッピング、インセプションデッキ・・。これらを物語を通して一気に知識を詰められる出来になっているのは、ホント良く出来ていると思います。チームの解散までで第2部は終了で、第3部ではより大きな組織、チームを巻き込むことになりそう。いろいろな部署にちりぢりになったメンバーがまたどんな形で出てくるのか、新しい登場人物も期待です!
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