【読書メモ】【第1部】カイゼン・ジャーニー たった一人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
読みました。内容が濃いので部ごとにメモ取っていきます。ネタバレもあります。
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読もうと思った経緯
カイゼンジャーニー、ぽちった。
— あさこ (@acha_821) 2018年2月8日
楽しみ!
概ねこの情報だけで本書を知り、購入しました。特に立ち読みや前評判とかを調べたわけではなく。結果的に買って大正解ですね。アンテナを伸ばしていたことと、ワニの嗅覚は大したものです。自画自賛ですけど。。笑
マインドマップ
合計90のノード(気づき)がありました。第1部50ページでこれだけの情報量なので、この後にも期待ですね。
この本で得たもの
本書は各部の中に小説がついていて、物語ベースで進みます。物語の合間に著者物語の登場人物から解説が入り、テンポが絶妙です。第1部を読み終えたまでではまだアジャイル色はほとんどありません。IT企業をテーマに、自分はこの会社にいるべきではないと思った主人公の江島が、ある外部のイベントで、石神という講演者に出会う。講演に心打たれた江島は懇親会で直接石神と話をする機会を得るが、
「それで、あなたは何をしている人なんですか?」
という問いに何も答えられないところから、1つの答えを見つけるまでが第1部として描かれています。
第1部 一人から始める
第1部の段階では開発プロジェクトがテーマというわけではありません。外部のシンポジウムに参加したり、技術書から得た話を一方的に「ああするべき、こうするべき」と言ってきた主人公が、自分のキャリアを語るものを作れていない現実に打ちのめされ、まずは一人でカイゼンを進めることを始めます。
カイゼンに使うプラクティスも「タスクマネジメント」、「ふりかえり(会)」など特になんなく取り入れられるところからです。ただしそれらをまったく1から説明することもなく、アドバイスもヒントレベルに留まっているように感じました。
しかしながら実際にこの本からアクションを取ったことも考えられ、「2回目のふりかえり」、「ふりかえりのふりかえり」という一歩踏み込んだところまで解説があります。ですがあくまでヒントレベルなんですね。そこから何を感じ考え、自組織に適用させるかを考えさせられます。
物語の余計な脱線もなく、挿絵やマンガもありません。翻訳本のようなクールなテイストで、冗長な比喩表現もなくサクサク読めます。
1人で頑張ることを薦めているわけではない
さすがに主人公も途中で1人で(個人ごととは言え)カイゼンを継続することに疲れて、やめてしまいそうになります。そこの解説が一番胸を熱くさせてくれたので、引用します。
行動を変え、新たな一歩を踏み出すのに「遅すぎる」ということはない。行動を始めるべきだと気づいたそのときが、その人にとっての最速のタイミングだ。
変化は一人から始められる。その次は、その変化を目の当たりにした二人目がきっと出てくるはずだ。(中略)いつだって始めるのは自分一人からだ。だが、君はいつまでも一人と言うわけではない。
どんな活動も1回で1人でやることはなんとか出来るかもしれません。それを継続させることは本当に難しい。変化が起こらない時期が続くと投げたしたくなりますね。それでも歯を食いしばって続けることで、その人のブランドとなり、投げ続けた石は波紋ではなく、波になっていく。
活動を継続することで声をかける人が出てくる
活動を始めてからおよそ半年でやっと興味を持ってくれた他部署のメンバーが出てくるのですが、社内展開を積極的に行ってなかったとはいえ、なかなかリアルな描写だと思いました。背景として正論めいたことを頭ごなしに言い散らかしていた主人公だったというところもありますが、なかなか協力者が出てくることって少ないんですよね。自発的に。
協力してくれるメンバーも良い感じにリアルな距離感があるんですよね。部署も違うことから朝会にときどき顔を出すにしてもお互いのやることに「へー」とか「ふーん」ぐらいのことしか言えないっていう。だけど、プラクティスには賛成しているから時々は顔を出すわけで。
さて、この部の最後は社内で現在までの活動報告をする勉強会が成功して終わります。集まったみんなから拍手も上がるし、中間管理職で理解がないと思っていたメンバーも参加してくれて褒めてくれたし、自分なりの何者かの答えも持てた。
そこに久々にあった尊敬している先輩から一言、こんな言葉で締められています。
「こんなんでは、ダメだぞ」
こんな奈落に落とすようなラストだなんて。卑怯ですよ。。笑
続きが気になって仕方がない。
感想
シンポジウムやカンファレンスに参加するようになって来た人には、主人公の立ち居地も理解でき、感情移入しやすいと思います。組織がー、会社がー、ではなく、出来るなかでまず自分が動くことがなにより。「許可を求めるな。謝罪せよ」の精神だそうです。
ちょうどブログ記事を書く様になってきたのは、昨日今日の話ですが、本書を手に取る前だったりします。運命的なものを感じますね。
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